双極性感情障害(躁うつ病)

双極性感情障害(躁うつ病)とは

人生の中で「うつ」になるだけでなく、「躁」にもなる人を双極性感情障害といいます。

「うつ病」になった時、過去に「躁」「軽躁」になったことはないかを思い出すことは重要です。軽躁状態は下の診断基準にもある様に、社会生活や仕事上、著しい障害を引き起こすことがないために、病状とみなされないことが良くあります。例えば、「普段の自分より気分が高揚し、仕事、家事、趣味などを頑張ってやり過ぎ(目標指向性の活動増加)、何でも出来る気がする、睡眠時間が極端に短いのに疲れず頑張れる、普段より早口で良く喋る」といった症状が4日以上続くと軽躁病相と診断されます。軽躁時、苛々感が強くなる方もおられますが爽快気分となる方は、仕事などが捗り良い体験ですので病院を受診されることはありません。後にうつ病相になった際に受診されますが、その際に過去に軽躁を問診時に見逃されると双極性障害ではなくうつ病と診断されてしまいます。

うつ病と診断されると抗うつ薬を処方されることになりますが、双極性障害の方が抗うつ薬を単独で内服すると気分が不安定になる、躁症状が引き起こされる等の可能性があるため、抑うつ症状の方が受診された場合、過去に軽躁や躁の症状がなかったかを問診することが重要になります。

双極性障害の治療は抗うつ薬ではなく、気分安定薬、抗精神病薬などが使用されます。

躁病相・軽躁病相の診断基準

A.気分が異常かつ持続的に高揚し、開放的または易怒的となる。加えて、異常にかつ持続的に亢進した目標指向性の活動または活力がある。このような普段とは異なる期間が、ほぼ毎日、1日の大半において持続する

躁病相 :少なくとも7日以上持続(入院を要するなら7日未満でも躁病相)

軽躁病相:少なくとも4日以上持続

B.加えて、以下の症状のうち3つ以上(気分が易怒性のみの場合は4つ)が持続している

  1. 自尊心の肥大、または誇大
  2. 睡眠欲求の減少
  3. 多弁しゃべり続けようとする切迫感
  4. 観念奔逸、いくつかの考えがせめぎ合う
  5. 注意散漫
  6. 目的指向性の活動増加、精神運動焦燥
  7. 困った結果につながる活動への熱中

C.

躁病相 :この気分障害は、社会的または職業的機能に著しい障害を引き起こしている。あるいは自分自身または他人に害を及ぼすことを防ぐため入院が必要であるほど重篤である。または精神病性の特徴を伴う

軽躁病相:この気分障害は、社会的または職業的機能に著しい障害を引き起こしたり、または入院を必要とするほど重篤ではない

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